育児と仕事をめぐる女性の労働問題 ~ 派遣労働者とフリーターのための労働基準と労働問題
働く女性が抱える労働問題の中でも、育児と仕事とのバランスに関するジレンマは、容易に解決を許さない大きな課題です。特にフルタイムで働く女性にとっては、物心のつく大事な時期の子どもを毎日託児所等に預け、母子のスキンシップをじゅうぶんに取れなかったりすると、家事や育児をおろそかにしているのではと、当の女性自身が罪悪感を持ってしまうこともしばしばです。同時に、女性側だけで家事も育児も仕事もこなそうとすることで、それぞれがおろそかになったり、睡眠不足や過労を引き起こすなど、常に労働問題と隣り合わせの生活を余儀なくされています。
そこでフルタイムでの仕事を諦め、パートタイムで働くことにすると、今度は収入が一気に減り、キャリアを積んだり活かしたりすることも困難な状況に陥ります。社会的な立場もたいへん弱く、家計の足しにと割の悪い賃金を得るために、子どもを預けるという実情です。子どもとの時間を大切にしようと無理をして、早朝や深夜の仕事を選ぶケースも出ていますが、無理が続くと健康を害し兼ねず、労働問題の引き金は常に危うい状態です。
このように、女性が仕事と育児のバランスで悩むことになる原因は、やはり家庭責任への負担が女性の側に大きく傾いているからです。こうした女性の負担を軽くするには、女性自身の意識が変ることはもとより、夫である男性の意識の改革、そして育児や子どもの教育を手厚く支援する社会的しくみの充実が不可欠です。このように、幾重にも重なる環境の変革を要するのが、女性の仕事と育児にまつわる労働問題です。
その一方で、幼児期の子どもの育ちは、母親との密接な関わり無くしては人格形成にも不調をきたす恐れもあり、女性の側としても、育児を犠牲にしない働き方を何とかして模索したいところでしょう。在宅勤務などの雇用形態は、育児や介護に忙しい女性にとっての、新しい働き方のモデルとして、労働問題解決へのひとつの突破口になるかもしれません。
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