派遣切りにまつわる労働問題 ヨーロッパより学ぶ ~ 派遣労働者とフリーターのための労働基準と労働問題
派遣切りがニュース用語となり、社会問題化している現在の日本は、先進国の中でもヨーロッパなどに比べ、労働問題に対応する社会の補償の仕組みが十分とはいえない状態にあります。
人として最低限保障されるべき文化生活が送れず、職を失った人々が、再び仕事人として再生していくすべもなかなか見つからない日本の現状に対して、社会的な補償の進んだヨーロッパでは、このような労働問題においてどのような対策を取っているのでしょう。
独自の進んだ雇用政策で、EUのモデルにもなっているオランダにも、非正規雇用者は存在します。
北欧諸国のように強い雇用保障は無く、雇用主による解雇も比較的容易です。
しかし、オランダには派遣切りという言葉は存在しません。
それは、派遣切りのような労働問題となる以前に、失業者への手厚い保障と再就職支援があるからです。
一例として、1999年に布かれた「柔軟と安定性に関する法」では、同じ職場に一定期間(1年半~3年間)就労した派遣労働者に対し、正規の雇用契約を結ぶ権利が保障されています。
2009年4月より開始された「パートタイム失業制度」では、解雇を避ける代わりに就業時間を半分に減らすとともに給与も半額とし、その分の収入を政府がある程度保障するようになっており、労働者は15%ほどの減収を我慢すれば失業する事もありません。
このようなシステムは、優れた雇用対策としてEUのお手本にもなっていますが、日本の場合は政府の資金面を考えても簡単に取り入れるのは困難でしょう。
しかし、将来を見越して考えたとき、学ぶべきものはおおいにあるのではないでしょうか。
オランダの社会保障は、教育面でも進んでおり、公立私立ともに高校まで授業料の負担がありません。
子育てをしている労働者にとっては、教育の機会均等の有無も立派な労働問題のひとつですから、こういったオランダのような政策はうらやましい限りではあります。
オランダと並び、ユニークな労働施策で抜きん出ている国がデンマークですが、こちらの場合、失業給付期間が最長4年までとなっていて、失業者にとってはさらに手厚い保障が約束さいれています。
とはいえ、失業者もただで給付を受け続けることはできません。
職業訓練を受ける義務などを課され、再就職への確実なプログラミングがなされているのです。
このように、手厚く、その上将来までをしっかり見越した周到な政策は現在実りつつあり、失業率も確実に下がっているそうです。
長引く不景気や世論の変化の影響を受けて、自己責任などの言葉が流行し、労働問題への対策や政府による失業保障などに対し、国民の意識が冷ややかに転じて久しい現在の日本ですが、派遣切りなどの労働問題が多発し、失業率の高い社会は決して健康な社会とはいえません。
オランダやデンマークなどの失業政策に学ぶべき点は学び、労働問題を引き起こす前に回避できる、底力のある社会を目指したいものです。
スポンサードリンク